配信期間

2022.11.1~2022.11.30まで

基調講演

「元気になれる前向き子育て」

講師 平野真理子(平野卓球センター監督) コーディネーター : 村松陽子(京都市児童福祉センター)  平野真理子さんは、卓球の平野美宇選手のお母様として有名ですが、実は3人の娘さんがおられ、三女の亜子さんには発達障害があります。今回のセミナーでは3人の娘さん、特に亜子さんの子育てについてお話しいただきました。真理子さんの子育ては、3人の娘さんすべてに、子どものやりたいことをサポートする、子どものいいところに注目して認める、子どもの個性を大切にするという前向きな姿勢が貫かれており、お話を伺っているだけで元気がいただけます。そして、亜子さんについては、生活の中での特性に合わせた具体的な工夫、学校や学級選択のポイント、学校とのお付き合いの仕方など具体的なアイディア満載でどなたにもヒントになることがたくさんあることと思います。

第1分科会

「ミライの特別支援教育について語り合ってみた」

講師 小川 修史 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 生活・健康・情報系教育コース 准教授 一般社団法人日本障がい者ファッション協会(JPFA)副代表 コーディネーター : 田中一史(京都市児童福祉センター) 「障害の有無にかかわらず誰もが楽しさにアクセスできる社会をつくりたい。」 そんな思いからテクノロジーを特別支援教育に活用する研究を続けてきた兵庫教育大学准教授の小川修史先生が、とあるきっかけから病気や障がいを理由にオシャレを諦めずに済む社会を目指し、「bottom’all(ボトモール)」というユニセックススカートを共同で開発。自ら身につけ、「車椅子でパリ・コレクションのランウェイ」という夢を今秋に実現しようとされています。  また様々な学生の声に応えて障害の有無や性別に関わらず着れる次世代の「制服」を開発したり、大学での授業に様々な配慮や仕掛けをされたりと、旧来の常識や価値観にとらわれず社会の中にある「障害」を解消しようという試みに、ネットを介して全国から共感と支持を集めておられます。  この分科会では、そんな小川先生の魅力的なお取り組みを紹介するとともに、これまでの特別支援に残る「弱みに対して特別な配慮をしてあげている」という上から目線のものから、誰にとっても「楽しく」「快適な」ミライの特別支援教育を目指していくことについて「楽しく」語り合ってきました。 ぜひ多くの方に聞いていただきたいです。

第2分科会

「自閉スペクトラム症、当事者研究、オープンダイアローグ」

講師 横道 誠 京都府立大学文学部准教授 コーディネーター : 岩井栄一郎 (立命館大学学生オフィス) 講師は『みんな水の中ーー「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』などの著者である横道先生です。自閉スペクトラム症の当事者には、古くから社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害などが指摘されてきましたが、それについて当事者でもある横道先生がどう考えておられるか話していただき、また主宰されている自助グループについての紹介と、そこでの「対話実践」を具体的に説明していただきます。社会性、コミュニケーション、想像力などに困り感があると言われる自閉スペクトラム症がどのようにして「対話」と悪戦苦闘しているかについても当事者のお立場よりお話しいただきます。

第3分科会

「地域の就労支援リソースを考える」

パネリスト:浅山 淑子(京都ジョブパーク)、新谷 正樹(京都障害者職業センター) コメンテーター:星明 聡志(ジョブジョイントおおさか) ナビゲーター: 村田 淳(京都大学)※企画コーディネーター 自閉スペクトラム症のある人(特に学生や若者等)の地域生活や生涯のプロセスを考える上で、就労等の社会進出をどのように目指すのかは大切なテーマです。一方で、誰しもが経験する教育のプロセスにおいては、まずは目の前の学習や私生活にアプローチせざるを得ず、就労等に対して十分な準備が整わない場合もあります。また、自分自身にあった就労先等を見いだしていくことも簡単なことではありません。  このような課題について、地域に存在する各種支援リソース(支援機関等)の活用は有効な手立てのひとつといえますが、本人や保護者・支援者等がその機能や中身について十分に把握していないということも少なくありません。本分科会では、地域における就労支援リソースについて、その選択肢や中身を理解すること、また、有効な活用方法について考える機会にしたいと考えています。